ケーススタディ

お客様:株式会社キタムラ代表取締役社長 浜田 宏幸さん 担当コーチ:芳地 一也

お客様: 株式会社キタムラ代表取締役社長 浜田 宏幸さん 担当コーチ:芳地 一也

設立:1943年5月 従業員数:7,142名 事業内容:全国的な規模で展開する「カメラのキタムラ」や「スタジオマリオ」の運営をはじめとする写真プリント事業を軸とした先進的な経営を展開している。 導入年月:2012年12月

写真プリント、カメラ、デジカメの販売などを行う写真専門店「カメラのキタムラ」を展開する株式会社キタムラは、技術革新や消費者ニーズの変化により急激な対応を求められ続けた写真専門店業界において他社を圧倒するスピードで対応し、消費者の満足度を獲得し成長しつづけている優良企業である。10年前からスタートしたこども写真スタジオ「スタジオマリオ」事業も驚異的な成長戦略で売上げを拡大してきたが、これまでの延長線上にある戦略では行き詰まりを感じていた2012年の秋、芳地との出会いがあった。

Q:株式会社キタムラでは導入されてまだ3ヶ月とのことですが、導入してみようと思われたきっかけを教えてください。

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浜田社長:私どもの会社がお世話になっている方から「おもしろい男がいる。成果もあげているので一度話をきいてみないか?」ということで芳地さんを紹介されたのが2012年の10月ですね。ちょうどスタジオマリオが10年たって、次のステージにいろんなことを変えていくきっかけが欲しいと思っていたところなので、ぜひ当社でも使わせていただこうと。でも、芳地さんに初めてお会いしたときに何か感じるものがあったことが大きかったですね。

Q:導入前にどのような課題を抱えていらっしゃいましたか?

浜田社長:「スタジオマリオ事業はスタートから10年で約10倍に育っています。順調に実績を残し成長してきたといえますが、それと同時に、今までの取り組みの延長線上にない新しい次のステージに一段階上がることが必要だと感じていました。これまでのマリオは私と岡林(事業部長)の2人で「こうあるべきだ、こうなるべきだ」と無理やりに引っ張ってきて人工的につくり上げた面がやっぱり強いんです。
でもこれからは働いているみんなの中から「こんなマリオにしたいね、あんなマリオにしたいね」というふうに、みんなの意見でマリオが自主的に育っていくステージに変わっていってもらいたいと思っていたんです。これからは私もマリオにかかわれる時間が少なくなっていきますからね。

Q:具体的にどういうような展開を期待されていますか?

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浜田社長:社内のスタッフたちが「次はこういうマリオにするべきだ」と自ら考える状況にしたいですね。

これまでは、浜田の言ってることってどういう意味なんだろう、どういうすれば浜田が褒めてくれるだろうという働き方をしていたのが、自ら「こういうことをやりたいんだ。こうやったらマリオはよくなる、これでいいよね?浜田さん!」っていうスタンスに変わってくれると、スタジオマリオは次のステージに成長するだろうと思っています。

Q:実際に導入されて、社員のみなさんや経営に関してどのような成果が生まれましたか?

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浜田社長:一番印象に残ったのは、ああ、困ってる困ってる。いいねぇ~というところ(笑)。その困っているところに次の大きな可能性を秘めている。困らない程度のことは解決しても大した成果につながらないですよ。本当にみんなが、「えー、それ」って困った顔をしている。だから、「大変だから今まで手をつけなかったところに意識を向けようよ、一回チャレンジしてみようよ、もうだめだってあきらめずにやってみようよ」っていう動機が生まれたのが一番大きな成果ですね!

芳地:参加者の方々は実際にお店の店長として切り盛りしている。それだけでも忙しいのに、夜に集まってディスカッションしたりというのが見られ始めました。

 

浜田社長:そうなんです。この事業の将来の姿を自分たちが少しずつ思い描き始めているんです。いい意味でどんどんメンバーの自主性が高まってきているのが感じられますね。
それと、経営にパラダイム転換を起こすきっかけにはなりますね。何十年もやってだめだったから経験則的にだめなんだと思い込んでいることも、世の中が変わってお客様が変わって技術も変わってきていますから、昔は不可能だったことが今は簡単にできることもあります。

 

芳地さんのコーチングはぴったり合っているんです。今までの成長の形と運営における効率のいい形に、もう一回スイッチを入れかえようよと。これからもそれでいいの?もう一回みんなで考えてみようよ。お客様とのかかわり方はそれでいいの?そこから先の命題は、おまえらも考えろというのが今回のテーマなんですね。みんなが、俺たちも考えなきゃいけないんだって頭から煙が出ていましたから。いいなあって(笑)

 

芳地:かなり出ていましたね(笑)。

 

Q:芳地さんが、一般の経営コンサルと違うところといえばどんなところでしょうか。

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浜田社長:面白いところですよ! 途中でいろいろ出た課題のなかで、たしかに大きな成果はあるだろうけどそんなの無理だよってほったらかしていたテーマが何個かあるんです。その中の一つが最終的なテーマに決まったこともいいですよね。そんなの無理!とか言って、実は私が一番否定的だったんです(笑)。でもそのテーマはまだ実験段階ですけど、結構いい成果が出ているんですよ。

Q:芳地さんをおすすめするとしたらどのような企業、どのような経営者がふさわしいと思いますか?

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浜田社長:まず彼と気が合うということでしょうね。それは結構大きいと思います。人間として、一緒に事業のある部分を真剣に考えるのは、やっぱり気が合わない相手とは難しいです。もう一つは、その事業のシーンが必要とするシーンであるかどうかですよね。やっぱり、パラダイムシフトを起こしたいというような時。このままじゃだめ、何とかしたいというニーズが起こっている時がふさわしいと思います。あと、ざっくばらんにオープンに物が言えるということですかね。それと、多少の胡散臭さをおもしろいなと思う人(笑)。挑戦するバイタリティーがあるといったらいいのかな。

芳地:そういう意味では(私のクライアントには)創業者の方ですとか、オーナー社長が多いかも知れません。

 

浜田社長:安定した状態をずっと続けて、次にできるだけいい状態でバトンタッチしてっていうタイプの経営者には合わないかも知れませんね。ここまで来た成長の過程をチェンジしようというのは、チェンジ自体がリスクですから。でも、本当は変えないリスクが一番大きなリスクですよ。ビジネスや市場環境はどんどん変わりますからね。

 

Q:始められてどのような印象を受けましたか?

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岡林さん:僕はスタジオマリオの責任者なんですが、浜田(社長)と一緒に芳地さんにお会いして、とてもよい感触でしたので、マリオのこれからのステージに向けてぜひ手伝ってくださいとお願いをしました。しかし、始まったときに衝撃を受けまして(笑)。これほど我々を困らすのだったらやめておけばよかったと思って(笑)。一番初めにお会いしたときには穏やかそうな方だったのですけど、会議が始まるや否やびっくりしまして、芳地さん手伝ってくださいと僕がお願いしたのにもかかわらず、「この人、僕を困らせに来た」と思いました(笑)。

Q:やってみて何か変化、成長はありましたか?

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岡林さん:最初は、まいったなあ~と思ったんです。ですが嬉しいことに、仲間たちが本当にマリオのことを真剣に考えているんだなということが実感できたことは大きな収穫でした。 自分たちのマリオに対する想いを言語化して、一つの主語を一つの述語で述べるという作業になれていないものですから、もやもやもやもやした時間が何時間も流れる。それを見ている芳地さんがすごく楽しそうというか、こうやって成果というものは出てくるんだよということを僕らに指導してくれているというのがひしひしと実感できまして。次第に彼らの言っていることがプラスの言い方に変わってきて、一つの主語に一つの述語で表現できるようになってきているなということが、僕も実感できて、これも成長というのかなというふうに感じることができました。

Q:具体的にどのような成長が感じられましたか?

岡林さん:一週に何度かいろんなミーティングをやっていますが、そういった場面でも、芳地さんに教わった「提案があります。こうしてください、なぜならば」というような表現を、初めはわざと冗談みたいに使っていたのですけど、誰からともなく使うようになってきて、セッションのメンバーじゃない会議のメンバーもそれを真似し始めて。

 

芳地:そういうときの言葉って一見不自然なのですけど、慣れてくるとそれがやっぱりスムーズですよね。

 

岡林さん:そうなんです。私も初めはすごく違和感があったのは、「私が言うには」という言葉があったでしょう、あんな日本語は今まではないじゃないですか。

 

芳地:はい。日本語にないです。

 

岡林さん:最初は非常に違和感があったのですけど、言葉を回していくうちに、なるほどこれがあったほうが会話はスムーズに回るということに気づかされました。また、浜田は人のことを聞くような人間ではなかったんですが、芳地さんの言うことはうなだれて聞いている場面がいくつかあったので、それは見ていて痛快でした(笑)。均等に発言の時間とチャンスがありますから、そうじゃないんだよ、こうこう、こうなんだからって理屈で言いくるめらる場面が少なかったので、参加しているメンバーもすごく充実感があったと思います。

Q:新しい取り組みや成果はありましたか?

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岡林さん:僕らは、どの店でも同じ道具で同じ手順で同じ作業で同じサービスを均等に全国に供給するために、君はこれをこうしないさいというふうに、動詞にして伝えるようにしているものですから、彼らもそれに合わせて動くように、日ごろから活動がパターン化されています。
ところが今回のの成果で2つのプロジェクトが走り始めたのですけど、その一つは、今まで考えてもいなかった、商品のお渡しのときに「次のご予約をいただけませんか」というアクションです。今までは、売り込みみたいでそんなのは嫌だよというふうな先入観が僕らにはありました。浜田が最も抵抗がありましたから。ところが、じゃあ僕の担当しているブロックでやるよということで実験的に実施してみました。あるお店は20件のお客様にお渡ししたなかで4件ご予約いただいたんです。すごいですよ、これは。

芳地:これは、多分トークとか、使うツールとかを変えると、50%ぐらいはいけますよね。

 

岡林さん:50%いけたら大変なことになると思います。50億の売り上げアップになるよね(笑)。

 

芳地:これだけでも十分にやった価値がある。

 

岡林さん:はい。もう一つは、今まで、お店をオープンさせてから2年目とか3年目ぐらいに何とか損益分岐点まで持ってくればいいよ、というようにして、これまで数百店を立ち上げてきたんですが、一気に初年度から黒字を目指せと。 来年度に、150組のお客さんを売って450万を売り上げろという想像もつかないような目標を立てて、5店舗をオープンさせるんですよ。昨日その5店を担当するブロック長を集めて会議をやっていました。私はオブザーバーだったんですが、見ていましたら、彼らがいきなり何をし始めたかというと、ポストイットを配って(笑)。

 

芳地:始めちゃったと(笑)。

 

岡林さん:マニュアルを全部読んで、「ねえ? 泳げるようになってからプールに行く人はいないでしょ」とかという発言が出たりして。僕は今までの体験上、それはちょっと無理があるとか、そのパターンだと難しいとかいうことをなるべく言わないようにしました。昨日は3時間の予定が結局5時間ぐらいやっていましたね。夜遅くまで。結局、そうやって会議のなかで自分で自分に宿題を与えるようなことになってきますから。

 

芳地:仕事がふえるんですよ。

 

岡林さん:そうなんですよ。今までは僕に批判ばっかりしていればよかったのですけど、これもやらなきゃいけない、これもやらなきゃいけないです、じゃあ誰がやるの?といったら、あ、私か、みたいな。

Q:導入からまだ数カ月なのに、どんどん「自走する」組織に変貌していますね

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岡林さん:いや、まだメンバーは6人ですから。芳地さんはもどかしいかもしれませんけど、6人だとか、あるいは5店舗で実験的なプロジェクトをやろうという意味では、非常に今回は有効に働いています。あとは400店近い組織を上げるには、情熱だとかいったものだけではなかなか動かせないんですよね。やはり大きな仕組みの変更が必要だと。その仕組みをつくる過程において、いろいろなプロジェクトがこれからも出てくると思います。それで、今回の6人のメンバーが今回の経験でつかみとって、みんなを巻き込んでいくにはどうしたらいいのかというふうに活動の中に入れていくとうまくいくんじゃないかなと。

芳地:チェーンストアは一部のうまくいっている人たちでベストプラクティスをつくって、それを展開可能な形に標準化して一気に広げるというのが必要ですが、今はそこの手前のところをやっている感じですね。

 

岡林さん:例えば、スタジオマリオの店長って、全員が女性、それも20代の女性です。乱暴な話ですけど4月に入った新入社員が6月、7月にはもう店長になっちゃうんですよ。そうはいってもある一定のレベルの写真を提供しなきゃいけないのですけど、技術的なことは何も必要ないんです。プロの写真館というと、その道何十年の、先生と呼ばれるようなオーナーさんが、お弟子さんが全部仕立てて、シャッターを切るのは俺だ、っていう職人みたいな世界なんですけど、それをチェーンストア化していくに当たって、ほとんど、環境でつくり上げているんですね。ただやっぱり、人が人に接するものですから、マクドナルドみたいなわけにはいかない。属人性が高いチェーンストアですから相手をしてくれた人間によって、サービスの満足度が違うと思います。ですから、さっき、情熱だけでは動かないと言いましたが、ちょっと人間臭いところもあるのがこのマリオのおもしろいところじゃないかなと思います。店長が変わることによって売り上げが2割3割、がらっと変わりますから。

Q:ご自身に変化はありましたか?

岡林さん:人の困り事を解決するのが仕事だったのですけど、困らせるのが僕の仕事になってきましたので(笑)

 

芳地:高い目標を掲げて本気でそれをやろうとすると、困るんですよ。それがないと成長ってないです

 

岡林さん:芳地さんに「みんなが反対するぐらいの提案を出さないと変化はないよ」というご指導をいただいて、何となくそういうふうに持っていこうとしているんですけど、なかなかやっぱり、プロと素人ですから、シャッターの切り方は全然違うわけですけどね。でも、がんばります!

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